不動産物件の運用にあたっては、誰もがなるべく安く物件を仕入れて高く売りたいと考えます。とはいえ、これがなかなか難しいのが現実です。物件をより安く買って、少しでも高く売るにはどうしたらいいのでしょうか。
今回は、不動産物件を安く買って高く売るためのコツや、その際に気をつけたいポイントについて説明します。
金融機関とのパイプの作り方
不動産物件の運用は、金融機関からの融資があってこそ成り立つものです。そのため、金融機関とのパイプ作りは必要不可欠だと言えます。仮に、金融機関からの融資が受けられないとすれば、安くてよい物件に巡り合ったとしても、その物件を購入することはできません。金融機関と良好な関係を保つことで、不動産投資を有利に進めるためのコツについて確認しましょう。
誠実な対応を心掛ける
金融機関にとって、「信用」は非常に大切です。金融機関は、顧客のそれまでの経歴や不動産投資の経験、現在の資産状況などをもとに融資を行うかどうか判断します。こういった内容は、短期間で簡単に積み上げられる実績ではありません。
しかし、金融機関が判断材料とするのはこれだけではありません。融資した資金をもとにして顧客がきちんと物件を運用し、返済を誠実に行ってくれるかどうかという点は、金融機関にとってとても重要となります。とくに、条件的に融資を受けられるかどうかが微妙な場合は、顧客の態度が最終的な結果に影響することもないわけではありません。金融機関に対しては日ごろから誠実な対応を心掛け、いざというときにスムーズに話が通るよう準備をしておくべきでしょう。
専門家に相談していることをアピール
誠実な物件運用を行う姿勢を具体的に表現するには、不動産の専門家にしっかり相談していることをアピールするのも1つの手です。たとえば、不動産の賃貸事業を行うときは、物件の管理や収支についてきちんと計画を立てておかなければなりません。建物は年数が経つにつれて修繕する必要が必ず出てきますし、入居者を探すためにも広告費などが発生します。そういった費用の種類や発生頻度は、専門家でなければ正確に判断することができないものです。そのため、そういった点をしっかり専門家に相談しているということをアピールすることができれば、金融機関は「融資をしても安心だ」と感じてくれるはずです。
不動産運用に積極的な姿勢を見せる
誠実な対応を心掛け、専門家へ相談しながら不動産運用を行っていることをアピールしたら、不動産運用を積極的に行いたいという姿勢を見せることも大切です。信頼のおける顧客が不動産運用に対して積極的だということがわかると、金融機関は優先的によい物件の情報を教えてくれることもあります。金融機関からの情報はとても有益なことが多いため、しっかりパイプ作りをしてよりよい不動産運用に繋げていきましょう。
物件を安く買うポイント
物件を少しでも安く買うためには、大きく分けて2つのポイントがあります。それは「安い物件が出回りやすい時期を狙うこと」と「一見魅力が低い物件に目を向けてみること」です。
安い物件が出回りやすい時期を狙う
不動産売買の世界では、一般的に安い物件が出回りやすい時期が決まっています。たとえば、「決算期」は割安な物件がとくに出やすい時期です。決算期は業績を少しで上げるための手段として、多少安くても物件を売却しようと考える人が多くなります。企業の決算期は3月がもっとも多いですが、なかには6月や12月を決算期としている企業もあります。なお、個人の決算期は12月末です。この時期には、安くて良質な物件が出回っていないか、しっかり目を光らせておきましょう。
魅力が低い物件に目を向けてみる
たとえば、汚れや傷みが激しい物件は、ほかの条件がよくてもなかなか売れないことが多いものです。そのような理由から、立地などがよくても安く出回っている物件もあります。見た目には汚れや傷みがあっても、実際には割と簡単に掃除や修繕が済む場合も珍しくはありません。それを考慮すると、一見クリーニングや修繕に費用がかかりそうな物件にも一度目を向けてみることで、思わぬよい不動産に出会える可能性があります。
物件を高く売るポイント
安く仕入れた物件をより高く売るためには、いくつか意識したいポイントがあります。ちょっとした違いでも売却価格は大きく変わってくるため、気を抜かずにしっかり配慮するようにしましょう。
物件をなるべくきれいな状態にする
物件を売却するときは、「はじめてその物件を見た人がどう思うか」ということを常に意識しましょう。どんなに理論的な人であっても、人間は物事を第一印象で決める傾向があるため、最初の印象は非常に重要です。極端に言えば、ほこりが少したまっているだけでも、その物件にはマイナスな印象が残ります。そうなると、掃除が行き届いたほかの物件のほうがよく見えてしまいます。また、傷みが激しい状態のまま売却するとそれを理由に値段が下がってしまいます。できる限り修繕したうえで売りに出すようにしましょう。
部屋を満室にする
賃貸物件なら、部屋を満室の状態にして売るとより高値で売却できます。空室があると、新しい借主を募集するための費用がかかり、その借主が入るまでは空室分の家賃収入が得られません。その反面、満室状態であれば、とくに何もしなくても買った月から全室分の家賃収入を得ることが可能になります。そういった面から満室の物件は人気が高いのです。売却を検討している物件に空きがある場合は、なるべくその部屋を埋めてから売却することをおすすめします。
良心的な業者を見極める方法
不動産物件を安く買って高く売るためには、不動産業者の選び方も重要です。良心的な業者を見極めたうえで付き合うようにすると、不動産の運用がとてもスムーズになります。
店内が整理整頓されているか
当たり前のことのように思えるかもしれませんが、店内がきちんと整理されているかというポイントは非常に重要です。たとえば、書類が煩雑に置かれているようであれば、書類の紛失など無用なトラブルを生みかねません。小さくてもトラブルが重なってしまうと、不動産売買において大切なタイミングを逃すことに繋がります。日々の業務を丁寧に行っている業者を選ぶことが大切です。
担当者の態度が誠実か
良い業者を見分けるためには、担当者の態度も大切なポイントです。不動産業者は顧客の代わりとなって交渉を進める役割を担うこともあります。そのため、担当者の印象は、希望する物件の売買そのものを大きく左右する場合もあります。自分自身に対する態度だけでなく、社内での言葉使いやほかの関係会社とのやりとりにもできるだけ注目して、総合的に判断するようにしましょう。
数字以外の条件にも配慮しているか
物件が安いかどうかは、値段だけで決まるわけではありません。同じ広さの物件と比べると値段的には相場と同じだとしても、ほかにはない魅力的な好条件があれば、その物件はより「安い」ということになります。不動産物件の売買ではこういった見方ができるかどうかが非常に大切です。物件をプロの目線で多面的にとらえて判断することができる業者を選ぶと、不動産を安く買って高く売ることも難しいことではなくなります。
まとめ
いかがでしょうか?
不動産物件を安く売って高く売るためには、ポイントをきちんと押さえることが大切です。不動産投資の世界では、ちょっとした違いが売買の金額に大きく影響することも珍しくはありません。徹底的に配慮することで、利益を最大化できるよう準備しましょう。